家具選びのコツ

【マットレスのおすすめの選び方】自然な姿勢で寝られて寝返りがしやすいか

ベッド

私たちは1日の3〜4分の1くらいの時間を眠って過ごします。つまりそれだけベッドや布団で横になっています。言い換えれば、一番お世話になっている家具は寝具というわけですね。

特にマットレスは、寝ているときの姿勢や寝返りのしやすさに直結するため、私たちの健康に大きく関わってきます。

たとえば横になったとき、マットレスがやわらかすぎて腰が深く沈んでしまったり、逆に硬すぎて浮いてしまったりすると、疲れはとれませんし、姿勢も悪くしてしまいます。また寝付けなくて夜中に何度も目を覚ましてしまう人は、マットレスが合っていない可能性が高いです。

NHK放送文化研究所の国民生活時間調査によれば、日本人の睡眠時間は長期的に見ると少しずつ減っています。

調査年度 平日 土曜 日曜
1995 7:27 7:45 8:18
2000 7:23 7:38 8:09
2005 7:22 7:47 8:14
2010 7:14 7:37 7:59
2015 7:15 7:42 8:03

(単位:時間)

また同じ調査によれば、仕事時間はだんだん長期化・早朝化しています。1日10時間以上はたらく人の割合も増えており、多くの人が増える就業時間の一方で睡眠を十分に確保できていない、そんな様子が見えてくるようです。とはいえ、仕事の時間を一気に減らすのは難しいでしょう。

少ない睡眠時間でもしっかり休むには、自分に合ったマットレスが必要不可欠。快適な睡眠で疲れをしっかり取って、充実した日常生活を送りましょう。

 

自然な寝姿勢で横になれて、寝返りがしやすいマットレスを選ぼう

マットレスの選び方は製造メーカーや研究者によって意見が分かれますが、大きく2つのポイントがあると考えられます。

  • 自然な姿勢で横になれる(寝心地が良い)
  • 寝返りが打ちやすい

ある研究によれば、寝心地が良く寝返りをしやすいマットレスで眠った人には、次のような効果が見られたそうです。

  • よく眠れている(睡眠効率が良い)
  • 中途覚醒の総時間が短い
  • 5分以上の中途覚醒の回数が少ない
  • 早く眠りに入れる(入眠潜時が短い)

(なお、こちらは60代の方々を対象に行われた研究の結果です)

実際に店舗で購入される際は、まずこの2点から自分に合ったマットレスかどうか判断しましょう。

 

仰向けで背骨がきれいに湾曲するマットレスは、寝心地が良い

寝心地とは、横になったとき楽な姿勢になれるかどうかです。背骨がきれいに湾曲した自然な姿勢で横になれないと、肩こりや腰痛、背中痛などの原因になるのでよくありません。

特に次のような姿勢になってしまうマットレスは避けたほうが良いでしょう。

  • 腰が浮いてしまう姿勢
  • 腰が深く沈みこんでしまう姿勢

腰が浮いてしまう姿勢の問題点

腰が浮いてしまう姿勢は、首や肩、お尻だけで全身を支えている状態です。つまりその部分にだけ大きな負担がかかり、痛めてしまいかねません。また腰が反っている体勢になるため、腰痛(の悪化)の原因になる可能性もあります。硬くて寝返りを打ちにくいので、安眠の妨げにもなってしまいます。

腰が深く沈みこんでしまう姿勢の問題点

腰が深く沈んでしまうマットレスもよくありません。体がマットレスに埋まる感じになって寝返りを打ちにくいので、熟睡できない可能性が高いです。また起きるとき、上半身を起こすと体がV字になって腰に負担がかかるため、腰痛をお持ちの方は苦しいかもしれません。

 

そのため、マットレスは硬すぎずやわらかすぎない、適度な寝心地のものがベストです。

とはいえ、同じマットレスでも、硬さ・やわらかさの感じ方は人それぞれ。体が大きい方は小さい方より沈みが大きくなるなど、一人ひとり事情も違います。

だからこそ購入の際は必ず一度、横になってみることをおすすめします。

睡眠時間の70パーセントは仰向けで過ごしている

睡眠中は寝返りを打ったり動いたりして姿勢が変わるため、仰向けのときの寝心地を確かめてもあまり効果はないとする意見もあります。

ただ、ある報告によれば、人は睡眠時間の70パーセントを仰向けで過ごしているそうです。そのため仰向けになったとき楽な姿勢を取れるかどうかは、マットレス選びの大事な基準といえるでしょう。

ただし睡眠時無呼吸症候群の方は、仰向けで眠ると重力のせいで落ちた舌が気道を塞いでしまい、呼吸がしにくくなってしまう恐れがあるので気をつけてください。

 

寝返りは睡眠状態の切り替えや体温調節を行い、心地よい睡眠を促す働きを持つ

健康な人は1日にだいたい20〜30回ほど行う寝返り。そこには大きく3つの役割があります。

  • レム睡眠とノンレム睡眠を切り替える
  • 血流が滞らないようにする
  • 体温調節

寝返りは、レム睡眠とノンレム睡眠を切り替える

人の睡眠は進化の過程で、レム睡眠とノンレム睡眠に分化したといわれます。

レム睡眠は急速眼球運動(Rapid Eye Movement:頭文字を取ってREM)を伴う、具体的にはまぶたを閉じていても眼球が動いている状態での睡眠です。これは「からだは力が抜けているが、脳は活性化している」ことを意味します。

ノンレム睡眠は逆に、脳が落ち着いている状態での睡眠です。いわゆる熟睡と呼ばれる質の良い眠りは、このノンレム睡眠を指します(厳密にはノンレム睡眠は4段階にわけられ、その一部が熟睡にあたります)

健康な人の睡眠は、最初の3時間で深いノンレム睡眠(熟睡)とレム睡眠が2度くり返され、その後は浅いノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返すといわれます。

 

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル

(睡眠時間が3.0、4.5、6.0時間のときに起きると目覚めがすっきりするといわれるのは、脳が活性化しているときに起床するからです)

 

寝返りはこのレム睡眠とノンレム睡眠を切り替える際に起こるため、睡眠の状態を切り替える働きがあるのではないかといわれています。よって、寝返りがうまく打てないと、レム睡眠とノンレム睡眠がうまく切り替わらず、質の良い睡眠をとれない可能性が出てきます。

寝返りは、血流が滞らないようにする

褥瘡(床ずれ)という疾患を聞いたことがあるでしょうか。これは長いあいだ体重がかかった部分の血流が悪くなってしまい、組織が壊死したり、潰瘍ができたりしてしまうものです。

また血流がスムーズにいかないと血栓(血液がたまって固まってしまったもの)ができてしまい、その血栓が血流に乗って運ばれ、肺や脳で血管を塞いでしまうと、大きな病気の原因にもなりかねません。

私たちは寝返りを打つことで、体の一部に体重がかかり過ぎないようにケアしています。これによって血流が滞ることがなくなります。

寝返りは、体温調節の役目も持っている

人は眠っているあいだ、体温調節のために大量の汗をかきます。

しかし眠っている最中は、マットレスなど寝具に接している側の発汗が抑制される半側発汗(はんそくはっかん)という現象が起こり、その部分の体温調節がうまくいきません。寝返りはこれを解消し、全身の体温調節に一役買っています。

また寝床内気候(布団とマットレスで包まれた人が眠っている空間)の温度を調整する役割も果たしています。

 

このように寝返りがしっかり打てないと、心地よく眠れない可能性が高いです。その意味でも、マットレスは硬すぎずやわらかすぎないものを選びましょう。

ちなみに寝返りのしやすさを考慮すると、ベッドのサイズは横幅70センチメートル以上が望ましい、それ以下だと熟睡が妨害されるともいわれます。また両手足を広げて寝ると、体温調節が捗って寝付きが良くなるとする研究もあり、ベッドや敷き布団の横幅は広いほうが良いといえるでしょう。

 

マットレスを選ぶ時は、スプリングやクッションの種類をチェック

ここまではマットレスを選ぶ基準について説明してきました。ここからはマットレスの特徴と、それを踏まえた具体的な選び方について見ていきましょう。

マットレスの特徴を分けるのは、どんなスプリングやクッションが使われているかです。大きくは次の3種類があります。

  • ボンネルコイル:1本の鋼線を螺旋状のバネにして、それを連結する
  • ポケットコイル:つくりはボンネルコイルと同じだが、バネがすべて独立している
  • 低反発マットレス:コイルを使用していない、ウレタン素材などのマットレス

それぞれの特徴としては、次のとおりです。

 

素材名 体圧分散 寝返りしやすさ 耐久性 通気性
ボンネルコイル
ポケットコイル
低反発マットレス

 

選ぶ基準で紹介した寝心地(寝姿勢)と寝返りは、それぞれ「体圧分散」と「寝返りのしやすさ」に該当します。

ボンネルコイル|耐久性と寝返りの打ちやすさが特徴

耐久性に優れたマットレスです。上面のつくりがしっかりしているため、体をしっかり支えてくれます。そのため寝返りを打ちやすいですが、人によっては硬いと感じるかもしれません。またコイルを連結しているため、力がかかると少し軋むような音がします。値段は、ほかの2種類と比べるとお手頃です。

ポケットコイル|寝姿勢も寝返りもバッチリの万能タイプ

ポケットコイルのマットレスは、ボンネルコイルのものと違って各コイルが独立しているため、圧力が均等に分散されて綺麗な寝姿勢で横になれます。コイルの数が多いほど、この体圧分散に優れるので、ポケットコイルマットレスを検討する際は、必ずコイルの数をチェックしましょう(多いほど値段も高くなります)

低反発マットレス|体圧分散性に最も優れる

コイルを使っていないマットレスです。ウレタンなどの素材で作られており、体圧分散性に優れています。体がきれいに収まる弾力性が特徴です。

ただ体が沈みこむような感じになるので(低反発とは体を支える力が弱いということでもあります)、寝返りはそこまで打ちやすくはありません。また夏は暑くて眠りにくいなど、通気性の面でも難があります。

 

ただし、これらはあくまで目安です。商品単位で違いはありますし、人によって感じ方はさまざまです。

そのため、必ず一度は横になってみて、自然と楽な姿勢がつくられるか、肩や腰など一部が沈まないか、寝返りを打ちやすいか確かめてみましょう。

 

参考資料・サイト

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